40代の日々徒然

ほのぼの夫婦と保護猫2匹の備忘録

【Porsche】 タイカンターボの乗り味

 2021年11月3日の少し遡ったイベントに関するブログとなってしまいます事をご了承下さい。
SNSで応募していた『ポルシェセンター名古屋』さんのイベントに当選し、ポルシェの最新鋭EV自動車『タイカン』を試乗する機会に恵まれました:-)

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そもそもEV自動車ヴァージンの私にとって(あのトヨタプリウスすら一度も運転した事が無い生粋のガソリン車世代です)は、間違いなく未知の世界で未来からコンニチハってレベルの乗り物であると同時に、このタイカンはコロナ前に一人旅で訪れたドイツのポルシェミュージアムモックアップの展示を見ているだけに実は少なからず縁のあるモデルであったりします。よくもまあ、ほぼほぼコンセプトモデルのままの姿で市販車になった物だと驚きを隠せません。

大体のメーカーはコンセプトカーが超絶カッコいいのに対して市販モデルになった途端に閉口するパターンなので。

 このイベントは選ばれた28組がタイカンのステアリングを握り『プロドライバーを助手席に乗せて』試乗するなんとも贅沢な内容です。
会場のヒルトン名古屋を起点にして、名古屋高速環状線をグルっと1周して来る(と言っても首都高みたいな走り甲斐あるコースではなくて名古屋高速はただの四角い周回路みたいなものですが)、街乗りと高速を両方味わえちゃうコースが用意されていました。

同乗下さったのはスーパーGTの現役ドライバーで2021年はJLOCのランボルギーニを操る元嶋選手です。ものすごーく柔らかな物腰が印象的なイケメンさん、神様ってつくづく不公平だと心の奥底で叫んだのは秘密です。服を着ていても分かる明らかな筋肉質ボディは文字通りの細マッチョでしょう、私のエアバッグみたいなお腹と真逆であります。

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 さてさて試乗可能なタイカンは2台用意されていて、ベースグレードとターボから選んで下さいと。職業柄、天下の公道でかっ飛ばす事は慎みますけどここはせっかくなのでと最上級グレードのターボを奨めていただきいそいそと『最新のポルシェ』へ乗り込む…うん見た目よりも全高が低くてメルツェデスなどの『セダン』と比べれば若干ながら屈んで滑り込むような感じかな?

静寂が広がる車内でシートベルトを装着したら出発準備は完了で当たり前ながらEV自動車なのでアイドリング音が無い…。なんとも不思議な感覚に包まれながらステアリング左奥にチョロっと生えているシフトレバーをDに落としてアクセルを数mm踏めば、タイカンは何のショックも無くスルスルと動き出しました。それと同時にシートベルトがキュッと締まって身体を絶妙にホールドしてくれます、嗚呼コンニチハ未来。

公道に出てすぐに直面する強烈な違和感はEV自動車の加速の仕方で、元嶋さんが説明下さいましたため直ぐに合点したけれどガソリンエンジンはトルクカーブがあって、シフトアップがあってとエンジンの息遣いを感じながら運転します。それが電気になるといきなりトルクの塊がやって来て、そのままシームレスにひたすら加速して行くのです。
FFなら引っ張られる、FRなら押し出される感覚は皆さんご存じかと思いますけど、これとは全く異なり例えるなら動く歩道に乗った様なスーっと速度を上げて行く魔訶不思議な感覚に陥りました。さらにアクセル操作と実動にタイムラグ全く無いから余計とクイックに感じられるし、前述の様にシームレスにトルクを発生し続けるため0-100kmと100-200kmの加速度も変わらない(正確には空気抵抗で多少は変わるとは思いますが)みたいですよ。すごいなぁコンニチハ未来。

 駅前の狭い裏路地を抜ける時こそボディサイズをそれなりに意識したけれど、高速道路に上がって速度が出ると同時にサイズ感がギュッとコンパクトになったかのような錯覚は上記の通りの鬼がかったレスポンスとトルク、そして宇宙一と言われる鬼ブレーキのお陰でしょうか。とにかく運転していて一切のストレスが無いのです。モーターの唸り声を僅かに発しながら疾風怒濤の加速で初秋の名古屋の空気を切り裂いていました(笑)

ここで見つけた最大の違和感はデフォルトでエンジンブレーキが無いってこと。アクセルオフにしても空気抵抗と路面抵抗でほんの僅かに失速するだけでスーーーーーッと転がり続けるところが逆に普段の運転でエンジンブレーキを多用する私にとっては恐怖でした。センターディスプレイで設定を変えると擬似的なエンジンブレーキは掛けられるようになりますけどね。元嶋さんがセンターディスプレイでチョコチョコっと設定をいじっているのを視界の隅で見ていた限り、このタイカンはスマホの設定画面くらい多岐に渡ってセッティングをいじれる感じでありました。万に一つ私がタイカンのオーナーとなったとしても、きっとほとんどの機能をまともに使いこなす前に挫折してしまいそうです。iphone12proを手にして既に半年以上が経っているのに未だ基本設定をまともにモディファイ出来ていない私には、今日のクルマの操作はハードルが高い事を痛感しました。

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 試乗するまでは正直な意見として『音の無いポルシェって、どこに悦びを感じるのだろう?』と疑問でした。この不安は乗ってすぐに払拭されたのは、たとえガソリンからEVへシフトしてもポルシェのアイデンティティが宿っているからに違いありません。これから近い将来には既存の2ドアモデルにおいてもタイカンの技術が搭載されて行く訳で、噂では次のボクスター/ケイマンはEVになるのではと言われています。特にボクスターは私が986時代から指を銜えて憧れているモデルの1つでありますが981のボクスターが歴代で最高のサウンドを奏でていたと思い、そこから718でターボ特有の重低音、さらにEUの規制に合わせて途中から音量が下がって…となると次期型ではもしかしたら最高にサイレンスなオープンカーになっているかもしれませんね。ボクサーサウンドこそがポルシェの神髄と取るか、最新こそ最良であると取るか…しばらくは皆さんが葛藤されることと思います。
ただ空冷から水冷へのシフトがそうであった様に、ガソリンからEVにおいてもポルシェのブランド力とパッケージングの上手さできっと『気づけばこれが標準である』と馴染む日がすぐそこまで来ているのでしょう。

 試乗後半は時計やファッション、スポーツなどクルマとはまるで関係の無い話に花を咲かせて、あっと言う間の試乗を終えました。本当に貴重なひと時をいただけた事に元嶋さん、ポルシェセンター名古屋さんに感謝多謝であります。私に出来ることと言えば、元嶋さんが所属するスーパーGT 300クラスでJLOC88号車を応援し、将来ポルシェにご縁がある時にはポルシェセンター名古屋さんのお世話になることでしょう。とりあえず5月の鈴鹿戦は久々にGTを観に行きたいな。虎の子100-400mmのレンズをカメラに装着してレースクイーン…げふんげふん、レース写真を激写したいものです。

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とりあえず先日は久々の腕慣らしにと新幹線を撮影に行ったまでは良かったものの…うん、動体視力と脳から指先への伝達の遅さから失敗を量産して寒空の下で2時間の修行を終えたのでした。これはもう少し通って、せめて納得の出来になるまで頑張るかな。

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見事に立ち位置を失敗して没った黄色先生とか…。

今年はカメラを持ち出してジャンル問わず色々な被写体を狙ってみる次第であります。

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名古屋めし、特盛あんかけパスタのカツレツ乗せ


おしまい。