40代の日々徒然

ほのぼの夫婦と保護猫2匹の備忘録

【日々徒然】 試乗記のお話 〜その運転に愛はあるのかい?〜

 今回のお話はディーラーでの試乗に関する内容です。あくまで個人的な視点からなので適当に読み流してもらえればと思います。

 2018年内にWRX STIアルファロメオ4Cの2台を手に入れる一般庶民独身としては極めて稀かつ世間的に無謀な暴挙を実行してしまったわけですが、この2台を選定する際にはどれだけインターネットで情報を漁ったか分からないくらいです。自動車評論家が綴る試乗記や個人的に試乗に行かれた方のブログなどなど、とにかく暇さえあればそれを見つけては妄想を膨らませていました。



アルファロメオ4Cに関しては特に記事の内容が過激であったために納車されて自分が実際にハンドルを握るまでは相当なじゃじゃ馬であると決めつけておりました。何故なら文中に『これはスモールフェラーリだ』『アドレナリンとドーパミンが出っぱなしっす!!』『アクセルを踏み込んで変速する時にはタイヤがギャンと空転しました』なーんて表現がここそこに見られたからです。



いざ自分が運転してみた感想はこれには擦りもしない『街乗りでも問題無い優等生』であります。もちろんその絶望的な乗降性に付随して歩道などの段差に非常に弱いことで乗り手以上に行き先を選ぶクルマであることは間違い無いです。しかし『一般的な』走行条件では何も苦労はしない、アルファDNAシステム(でしたっけ?)のN(Natural)で扱う分にはシフトもポンポンと上がって行き大人しいもので気がつけば6速に入っています。

 ここで思ったのは試乗だけでの感想とオーナーになってからの感想と言うものは乖離していることです。これは決して悪い意味ではありませんが試乗の瞬間はその対象が非日常的なクルマであればあるほど(例えばこの4Cの他にフェラーリ、ランボ、マクラーレンなど)もう試乗はおろかクルマを目の前にした瞬間からアドレナリンなんてだだ漏れの出っぱなしなんですよ。少なくともクルマ大好きならば。きっと大分の確率で
①目の前に憧れのクルマが登場して心臓ドキドキ
②運転席に座り込んでワクワク
③エンジン始動しただけでアヘアヘ
④試乗に出掛けてエクスタシー
こんなもんです。いや、私はこれに漏れ無く当てはまります(笑)
なのでアドレナリンやドーパミン云々は試乗の前段階からもう溢れ出ているはずなんです、一種の我慢汁ですよ。まだ4Cが納車されて数回しか乗れていない私だってクルマに乗り込む度に『おはようロメ郎(私のクルマの名前です)♪』など年甲斐も無く独り言を発しながら鼻の下伸ばしていますから。

 ただ多々の試乗記を拝見した上で思ったのは『そのディーラー、試乗車に対して本当に敬意を払っているの?』と言うこと。

 試乗は基本的に長くても2〜30分程度市街地を流す程度ですよね。今まで試乗したメーカーではレクサスとBMWのみは高速道も運転させていただけましたがこれはどちらかと言えば稀なケースかと思います。そんな一般的な条件の中で『シフトアップでタイヤが空転しました!!』なんて綴られていると『おいおい、チミはどんなどんな暴走をしているのだね?』となるのが普通じゃないですか?

私がWRX STIを購入した担当営業さんでも過去にこんな方が試乗されたと教えてくれました。お客さんは20代の男性でインプレッサSTIを試乗したいと来店されたそうです。但しMTの運転経験があまり無かったのかやたらと半クラを多用しながら加速したようで終いには試乗中にクラッチを焼き付かせてしまったと。もちろん悪気は無いでしょう、ただそこまで運転に自信が無ければ助手席で走りを体感するなどの手もあったはずです。またディーラーマンサイドからすれば試乗中に運転中止を促すのはやはり難しいようです。このケースでは最終的に運転を『辞めさせた』上でレッカーを呼んだとのことでした。
また、WRX STIはアクセル開度によってはブーストが1.5程度まではかかります。私が所有した期間では高速道の合流を含めてそこまでベタ踏みする事は無く最大でもブースト1.09でした。ただ以前お借りした試乗車では1.51の履歴があったので、やはり試乗した『誰か』がどこかでベタ踏みしているわけです。

 試乗に求めるものって何でしょうね。非日常的なスポーツカーで暴走することが試乗であるのであれば、それは決して正しい行為ではありません。ましてやそれを一般道でやらかすのであれば運転なんてしない方が良いです。お店に迷惑、クルマに迷惑、走行中の他車に迷惑、自転車や歩行者に迷惑でただただ危険な行為に過ぎません。短い試乗で確かめられるものなんて限られていますよ、乗降性、ブレーキフィール、車両感覚、オーディオくらいのものじゃないですか?

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 そもそもが今日の評論家がやたらと馬力やアクセルレスポンス、コーナーリング性能などを記事中で煽り立てるのも問題なのかと思います。どうしても評論家=プロという図式の中で読んでいればこちらもそれを真似したくなるのは仕方無い事であります。しかも記事中の写真も大半は一般道で撮影されたもの(サーキット走行でない)と来れば、試乗中に自分のクルマではしないような速度で交差点を曲がってみたりいつも以上にアクセルを踏んだり、ハードブレーキングをしたりなんてあるでしょうよ。

でもそれ、格好悪いです。

 試乗車だって大事なクルマです。ディーラーはそりゃあ試乗を断ることはしませんがエンジン始動してから水温や油温が上がっていない状態でアクセルベタ踏みなんてしたらクルマも痛みますよね。言ってみれば前戯無しで潤っていないのに容赦無くぶち込んで全力ピストンするようなもんです、これに愛ってありますか?
逆にいざ自分がクルマを契約、購入してオーナーになれば決してそんな運転はしないと思います。それはそのクルマを大事にしたいから、自分の所有物だから。裏を返せば試乗車は自分のモノでなく、後の事などまるで考えていないから短絡的に乱暴な扱いに走るんです。『アドレナリン?』『あまりの加速にアクセルペダルの踏み込みを緩めた?』勘弁して下さい、一体どんな運転してるのあなた。

 とまあ、五月蝿い姑みたいになってしまい申し訳無いです。なんか記事を読めば読む程に虚しい気分になったことも事実だったのであえてブログエントリーしました。

もちろんとても有益な情報を記載しているブロガーさんが大半でありまして購入にあたって非常に助けられました。私もせっかく4Cのオーナーになったので、日常使いであったりメンテナンスであったりの情報をこれからシェア出来ればと思います。

長文乱文失礼しました。


おしまい。