30代の日々徒然

ほのぼの夫婦と保護猫1匹の備忘録

【日々徒然】 日常と非日常の狭間で

 前回のエントリーでクラシックカーへの憧れをグダグダと綴りましたが、いただいたコメントで私的に大変胸に刺さるフレーズがありましたために別途エントリーしてみたいと思います。

「買ってしまえば日常となる」

たった一言ですが、このあまりに上手い表現で思わず膝を叩いた訳です。私も30代の終盤まで一般庶民独身ってある意味で最強、最恐、最狂の自由の元に身を置いて来たことから徒然なるままにワガママな暮らしをしていたとしみじみ実感しています。親族からは「紐の切れた風船」と揶揄されたくらいです。

例えばここ8年で実に4台のクルマを乗り換えて来ました。

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哀愁漂うボルボ850と当時の交際相手にコテンパンにキレられて夕日のなか哀愁漂う私。

 どれも思い出が詰まったクルマ達で、その時々で私の心を満たし仕事や大袈裟に言えば生きる事への活力になってくれてた愛車です。ただ結婚を期に身を落ち着かせた後に改めて回想してみれば「たいがい好き放題していたんだな」と。

 苦しい言い訳を宣うならば80年代男子なら誰もが患うであろうクルマが好きって不治の病気かもしれません。28歳の時、300km/hの世界を見せてくれた当時の愛車BNR34スカイラインGT-Rをカナダ留学の資金として断腸の思いで売却した瞬間に「嗚呼、自分のクルマ人生はこれにて終止符を打った」と確信し、自慢の牙を抜かれた猛獣、去勢されて巾着袋からボールを失った猫みたいに大人しくなったはず。

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最善か無か…の世代から外れて批判は大きかったけど、実は出来の良いクルマです。唯一の欠点はヘッドライトがみるみる濁ること程度。

ボルボ輸入車を所有する喜びを知り、メルツェデスである種のステータスと圧倒的な快適性を手に入れて次はEからSへステップアップと思っていた矢先にWRX STIで不覚にも運転の楽しさを呼び起こしてしまったが最後。もうスポーツカーには戻らない、クルマにお金はかけないと決めていたのに…20代のクルマが好きで好きで仕方無かった頃の情熱が勝手に再点火してしまいまして…数日間の内に清水の舞台から5回くらい登頂と飛び降りを繰り返して購入の決意をしたアルファロメオ4Cを我が子に迎え入れた次第であります。

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高性能の国産スポーツ、ただ大人しくなったボクサーサウンドだけが残念で…往年のスバルならドロドロと重低音が腹に響いたのに。

 4台ともが個性が強く嗜好性の高いクルマだけど「気付けばそれが日常」となってしまった自分が居ました。否、用途に合わせてクルマを選んだ訳では無く私がクルマの性格に適応していったのでしょうか。

久々に自分のクルマとしてボルボをディーラーへ引き取りに出向いた日、初めてメルツェデスのオーナーになった日、初めてスバルで新車の注文書に捺印した日、初めてスーパーカーと呼べそうな4Cのアクセルペダルを踏んで胸が熱くなったあの日。初心忘れるべからず、これらの高揚した気持ちは記憶の引出しに大切に保ち続けたいものです。

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 特にアルファロメオ4Cで言えば、快適性、積載力、実用性を全てイタリアの生産ラインに置き去りにしたクルマを「アパート暮らし」で「ファーストカー」として「ほぼ即決」で買ってしまった当時の周りが見えなくなった自分を誉めてあげたい、そのチョイスそのものが正に非日常、良い意味で非常識的、非現実的な決断でした。
所有して3年目、サーキットでフラットアウトするはずが専ら近所のスーパーへの買い物で使用して助手席には食材やトイレットペーパーを満載するオーナーとしては文字通り「買ってしまえば日常」であれど、周りから見られる4Cと私は昔も今も「なんとなく非日常な暮らしをしている人間」なのかな。

 例えば夫婦円満の秘訣は互いに敬意を持って接すること、馴れ合いすぎないこと、どこかに潜在的に緊張感は持つこと、相手の意見はまずしっかりと聞くこと…などなどです。クルマだって一緒。眺める度に「美しい」と悦に浸り、優しく丁寧に扱い、運転には神経を集中させて、小さな変化にも気付き、独りでドライブだからってシートでプップコおならを放たない…そんな姿勢で居れば良い関係を築けそうですね。

クラシックアルファ、空冷ポルシェ、ケーターハムにフェラーリ…どんな際どいクルマでもそこに趣味に注ぎ込める時間、ある程度の軍資金とトラブルをも笑い飛ばす愛があれば日常と非日常の狭間と言う最高の刺激と言う名のスパイスの元で心から楽しめるカーライフが待っていると信じています。
「買ってしまえば日常」であれど、その日常が心満たされ充実しているからこそのフレーズであると思いたいものです。

 最後に、私はブログをエントリーする際は大体1時間足らずでチャチャっと書き上げてしまうのですが、今回は数日間に渡り加筆訂正を相当繰り返してしまいました。今一つ焦点がボヤけてしまったかなと感じているものの、なんとなーく共感いただければ幸いです。


おしまい。