40代の日々徒然

ほのぼの夫婦と保護猫2匹の備忘録

【Mercedes Benz】 S560復活とS300

 先日、メルセデスより現行車の展示と中古車の即売会を名古屋市の吹上ホールで開催するとの案内をいただきまして足を運んでみました。ちょうど私用で東京に行く日と重なったためクルマではなく公共交通機関を利用してバックパックとトートバッグを肩にかけたとんでもなく場違いな見た目で訪問したわけですが、地下鉄駅から会場まで歩いている最中にも多くのメルセデスが吹上ホールに吸い込まれて行くのを見ましても盛況ぶりが分かります。

 今回の展示の目玉(客寄せ?)はメルセデスAMG GTRの特別展示とマイナーチェンジしましたW222Sクラスの先行展示だったと思います。SクラスはエントリーグレードだったS300hがどうやらカタログ落ちしたようで、マイナーチェンジ後のラインナップはS400から始まりS560、S600、S63、そして最上位にS65と大きく分けて4種類になりました。エンジンサイズはS400がV6ツインターボで2,996cc、S560がV8ツインターボで3,982ccと、昨今のメルセデスで見られるようにクラス名の数字と排気量は合致しなくなりました。(昔であればS300は3L、S560は5.6Lでしたよね)

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何はともあれ、S560と言うネームがSクラスに復活するとは往年のオーナー様も懐かしいでしょうね。バブル期にW126の『ゴーロクマル』と言えば危ない方々の御用達でした。

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 見た目で最大の変更点はヘッドライト内部のデザインだと思います。その他は基本的に大きな違いは無いように感じました。そう言えばフロントグリルのフィンって今回から3本のツインになったのかな??
ボンネットマスコットが付くメルセデスはSシリーズとE400だけになりました。Sクラスだけでもこのマスコットは継承し続けて欲しいものです。

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こちらは特別展示のメルセデスAMG GTRです。『R』の冠を持った非常にアグレッシブなモデルらしくダウンフォース抜群なエアロ、大径ブレーキローターを備えていました。リアのエンブレムが誇らしげです。…が、バンパーに埋め込まれたバックソナーってこの手のクルマに必要なのでしょうか?それだけでも軽量化すれば良いのに。

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カーボンセラミックのブレーキローター、このブレーキキットだけで国産車が買えてしまうくらい高いはずです。ゴールドに塗装されたキャリパーもサーキット走行して熱が入れば飴色に変色して行くのでしょうか。私が以前乗っていた日産のスカイラインGTーRもゴールドのブレンボキャリパーでして、これの変色具合でオーナーの本気度が分かったものです。私は街乗りのヒヨッコだったから最後まで変色しなかったです…。

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つや消しグレーで迫力満点でした。メルセデスシリーズでは唯一、グリルのフィンが縦に走っています。ホイールのリムが深いです。とにかく車高が低いです。まさかメルセデスベンツが公式にこんな過激モデルをリリースするなんて以前は想像も出来ませんでした。

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少し光線具合が変わっただけでこの雰囲気、たまりません。フェンダーダクトも攻撃的ですね。

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男ならばローアングルだって欲しくなります。センター出しのマフラーかなと思いますが、何やら左右にもマフラーエンドのような物がありますね。どちらが本物でしょうか。

 ひとしきり眺めた後は、現行モデルを見て行くことにしました。AクラスからメルセデスGTまで(覗くGTR)太っ腹なことに全ての車種でシートに座ることが出来ました。普段は近距離でお目にかかることもあまり無いようなモデルを中心に楽しませてもらいました。

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展示モデルの中で一番鮮やかだったGLE、こちらはAMGでした。この手のクーペスタイルSUVがジワジワと流行ってきているみたいですね。BMWはもう随分と前にX6を登場させていましたが、かなり時代を先取りしたモデルだったようです。

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以前と比べたらかなり商用バンのイメージからファミリーワンボックスへと進化したVクラス。チープな印象のコックピット周りが従来のメルセデスシリーズのようなインテリアにブラッシュアップされ、セカンドシートの座り心地も良かったです。私は今のところワンボックスには興味が無いのですが、腰痛持ちとしてこの腰掛けるシートはとても楽そうでポイント高かったです。

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無骨な具合がたまらないGクラス。こちらは認定中古車でお値段は約900万円でした。マイナーチェンジを繰り返しながらも基本設計は昔から同じ、2000年式くらいで構わないのでいつかは所有してみたいです。

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実は普段の生活ではなかなか間近で比較することが無いSLとSLCの並び。SLはR129が一番お気に入りです。過去に2度ほど本気で中古を購入するプランがあったものの、今となっては上玉を探すこと自体が難しくなってしまいました。

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『素』のメルセデスGTも並んでいました。こちらはリアウイングのフラップが上がっている状態で展示されていて、構造をじっくりと見ることが出来ました。このあたりの細かな配慮が嬉しいです。シルバーのボディカラーは大人しく感じますけど、このカラーは特別なのか異様にキラキラと輝いて見えました。ロングノーズショートデッキの正にスポーツカー、往年のS30フェアレディZのようなシルエットです。

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整然と並んだボタンはまるで戦闘機のそれによう。エンジンスターターはセンターコンソール左列の3番目のボタンです、赤く光ってアピールしていました。こちらのプライスボードは2,000万円弱…。私が暮らす田舎では家が買えてしまう金額です。

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すっかり金銭感覚が狂った後に見るとホッとしてしまう金額に出会いました。コルベットのハイグレードモデルです、865万円はバーゲンプライスなのではないかと。あ、もちろん一般庶民独身の私には夢のまた夢ですがorz

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上のメルセデスGTと比べてしまうとアッサリと言うかチープと言うか…でも操作性など実用面で考えればこれくらいで十分でしょうね。ホールドが良さそうなバケット形状のシートでした。

 と、こんな感じでお腹いっぱいになった楽しい展示会でした。もっと昔はこの手のイベントって定期的にあったけれども、最近では輸入車自体のイベントが減った気がします。入場無料でシートに座ることが出来、フリードリンクやかき氷サービスなど、高級車のメーカーとしてはかなりチャレンジな内容だったでしょうが、その反面で多くの来場者の心を動かしたのだろうと思います。やはり目立ったのはお金持ちそうな中年以上の夫婦で、意外にも女性の方が積極的だったり興味津々な様子でした。私が見ていた短時間の間にも良い商談がチラホラ見受けられました。

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 そうそう、表題にあげましたS300とは、私の実家が以前に所有していたW126の300SEのことです。S560のネーム復活で連想して思い出したわけです。かなり程度の良い個体で活躍していましたが最後は原因不明のエンジンストールを繰り返し、1年の大半を修理工場で過ごしていました。どうしても解決せず泣く泣く手放したのですが、今思えば私に譲渡してもらってエンジンスワップでもして乗ればよかったと未だに未練が残る1台です。

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300SEなので所謂ショートボディです。それでもこの適度に角張った水平基調のデザインや前後に伸びやかなボンネット、トランクで威風堂々とした素敵なメルセデスでした。また、このクルマには純正のシートカバーが備わっていまして本当に手放したことが悔やまれます。

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私も何度か借りてハンドルを握る機会がありました。4速ATは今どきの7速や8速のそれと比べると何ともラフな感じではありましたが、それでも中間加速は悪くなかったです。『最善か無か』を貫いたメルセデスの代表的な1台と評価され、シンプルながらも丁寧に作り込まれたそれは、ドアを開け閉めする音まで素敵でした。

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現行車と比べてもメッキの質や塗装の厚みが違うんです。本当に一生モノとしてメンテナンスを行えるのであれば、この先何十年と飽きることなく付き合えるクルマの1つとして自信を持ってオススメ出来ます。今どきのクルマみたいに何でもASSY交換とは違い意外とパーツも単体で出て来ますし、ヘッドライトはガラスカバーだから黄ばむこともありません。エアコンなども液晶表示ではなくシンプルなダイヤル式だから液晶のドット抜けも心配ありません。エアサスや油圧サスも使用していないので足回りもそこまでお金がかかりません。何よりもオーバークオリティで誤摩化や妥協が一切無いクルマです。

 嗚呼、書いていたらW126が欲しくなってしまいました。何もいじらず、フルノーマルで乗ることこそが粋でしょうね。


おしまい。