40代の日々徒然

ほのぼの夫婦と保護猫2匹の備忘録

【Porsche】 ポルシェ996、良し悪し討論

端的に申しまして、ものすごく気に入って週末の買い物などに積極的利用しています996.2カレラです。先日のアッパーマウント交換後からは異音もすっかり消えて、適度な室内のガタピシ音をBGMに西へ東へと快走しています。もうどうしても車内の軋みなんて年数が経ったクルマだから仕方ありません。ドアパネル、ダッシュボードあたりから大きめな段差や荒い舗装を通過する度にギシギシミシミシ音色を奏でるポルポル君が愛おしい訳でして。そう言えばと思い出して実家に保管していたこの雑誌を取って来ました。思えばまだ私が大学生時分にこんな996専門誌を購入していたところあたり、まさに今回の996購入は運命以外何物でもありません。



 さてさて、乗車を重ねるにつれてシンクロ率も上がって来たところで見えて来ました996の良し悪し。これらはポルシェ専門誌やインターネットから情報をゲット出来る内容かもしれませんが、それでもせっかくだから私のブログでも暴露しまして996の購入を検討されています未来のオウナー様へ有益な情報となればと思います。

悪し1 : 鈍いキーレスエントリー
996の純正キーには2つのボタンが付いていて一つはドアエントリー、もう一つはトランクエントリーになります。トランクボタンはそこまでの利用頻度が無いものがため、そこまでの不都合は無いかと考えています。ただドアのキーレスエントリーにつきましては今日のナウなヤングの皆さんの必須アイテムではないでしょうか。そのキーレスエントリー、ほぼ使えません。あまりに感度が悪くてドアの、しかも何故か運転席側ドアの真横に立ってボタンを押してもロックに関しては反応しません。と言うか正確には購入したショップの社長さん曰く「タバコ1本吸い終わったくらいに、思い出したかの如くロックされる」と素敵アドバイスを受けています。とどのつまり、キーレスのドアボタンをポチってから数分後に鍵がかかる仕組みですね、ここテストに出ますよ。そのためドアロックはドアの鍵穴へキーをブッ刺して行うのが996のセオリーになるのです。これはどうやら996特有の持病らしくて、センサーを交換して一時的に感度がビンビンになったとしてもまた徐々に不感症になるとのこと。逆のドアロック解除は運転席ドアの真横でキーを車体にくっつける位の位置からボタンを押せば反応します。ロックは鍵穴、解除はボタン、これ覚えておいて下さい。



悪し : 心臓に悪いセキュリティアラーム
ポルシェ全般に搭載されている仕様かと思われまして、最後にドアロックをしてから1週間か120時間程度が経過すると次回にアンロックして1分以内にエンジンスタートもしくはドアのロック&アンロックを行わなければアラームが発報されます。アラームはいわゆるクラクションがプップコ鳴るアレでして、まあ当たり前ながら五月蝿いです。私の場合はシートに着座してからポジションを合わせ、ハンドルロックを外し、サンシェードを畳み、荷物を助手席もしくはリアシートに搭載してスマホを…云々とにかく出庫まで儀式が多いがため、今ではとりあえず乗り込んだと同時にまずはエンジンスタートして暖機することに努めています。飛ぶが如し、Start Your Engine。

悪し : 燃費
まだ不具合の点検や部品交換などの入庫で長時間アイドリングをしているので、まだしっかり測れていませんがどうやら燃費は宜しくないと見ました。3.6Lフラット6エンジンの快感を思えば致し方ないのは当然であります。もちろん今時の718や992などは環境への配慮もあってもっと高燃費でしょう、996は快音と加速に酔いしれている最中はもれなくマフラーから小銭がチャラチャラ落ちていますね。予想として街乗りで5km/L、高速で10km/Lくらいかな?

悪し : 左ハンドル
「おまえさん、それを言っちゃあお終いよ」ってお声は当然です。ただ左側通行の日本において左ハンドルは言うまでもなく死角が増えて乗りやすいとは言えません。個人的に交差点の右折はまだ信号が変わるまで強い意志で停まっていればクリア出来ますけど、側道から右車線への合流がまあ怖いこと。特にその合流地点が左に曲がっていたりするともう絶望的です。可能な限りその様な道はGoogleマップを見ながらリルートして回避しています。



悪し : ハンドルのチルト調整
死ぬほど固い。全体重をかけて前後に調整しています。上下の調整機能はありません。

悪し : シートのポジション調整
オプションを付けているクルマであれば全ての操作が電動になります。私のはそれが付いていないのでシートの前後調整と座面の高さ調整は手動であり、リクライニングだけは何故か電動になっています。要らぬモーターを搭載して重くなるくらいならリクライニングも手動で良かったのになと:-(



 なんかネガティヴキャンペーンになってしまいそうですから、ここからはポジティヴに行きましょう。カモン!

良し : ハンドリング
車齢20年を迎える私の996.2は未だに適度な重みとしっとりした操作感がたまらなく良いです。ステアリングが比較的大きいのもツーリングにはプラスに働いていると思います。

良し : ステアリングのエンブレム
ステアリング続きで996.2のステアリングにはゴールドに輝くポルシェエンブレムが鎮座していまして、それが常に視界へ入ってくるのが幸福度を5割マシにしてくれます(個人差はあります)。軽く調べてみると、996.1まではポルシェのロゴもしくはエンブレムが型押しされていたタイプみたいでして996.2から少し豪華になったのかなと推測します。



良し : エンジン始動時のサウンド
996は歴代のポルシェで見れば割と大人しいサウンドだと感じています。それでもコールドスタートの際『ポルシェ特有』の乾いた重低音でエンジンが目覚めます、それだけでドーパミンがジューシーに溢れ出します(個人差はあります)。

良し : NAフラット6の中間加速

高速道路で実感したのが80km/h前後からの加速がトルクフルなお陰ですこぶるスムーズなところ。もちろんターボみたいな背中が張り付く加速まで伴わないけれど、気づけばあっという間にスピードメーターの針が上向いて行きます。

良し : 5スピードTip
私のポルポルはMTではなくTipです。サーキット走行するわけでも峠道でタイヤを溝に落としながらコーナーを抜けるわけでもましてやレブまで回してのイキり運転をする訳でもない私にとって、このTipは実に都合が良いのです。これ以上変速が多いとシフトダウンで慌ただしくなるし、何よりクラッチのオーバーホールも要らない。シフトダウン時には結構なエンブレがかかるから街中で赤信号に変わっての減速時などはステアリングにあるTipスイッチを積極的に活用しています。



良し : リアセクションのスタイリング
『水冷のナロー』の異名を持つ996であってもリアの絞り込みは歴代カレラの象徴であり永遠の憧れ。ここの曲線の集合体を眺めているだけで自然とだらしない笑みが溢れています。

良し : ポルシェであること
私はポルシェの歴史を事細かに語れるだけの知識は持ち合わせていません。でも今までに何度となく欲しいと願いシュトゥットガルトのポルシェミュージアムも訪れたほどに夢見たメーカーなので、もし誰かに「なんでポルシェがいいの?」と聞かれたら「ポルシェだからだよ」と回答にならないような回答を自信気に宣うでしょう(笑)

 そんなこんなで良い面を見れば悪い面すら可愛く見えてくるものです、恋は盲目。996であっても今までの底値から脱して中古相場がジリジリと上がって来ている今、個人的にはかなりオススメのモデルと断言します。特にTipであればそこまでの過激な走行をした個体は少ないはずだから少しの消耗品をリフレッシュするだけでパリッと仕上がります。これを読んで少しでも996に興味を持たれたそこの貴方、清水の舞台に立てば私が遠慮なく後ろから蹴飛ばしてあげますよ、さあ行こうピリオドの向こうへ。



おしまい。