40代の日々徒然

ほのぼの夫婦と保護猫2匹の備忘録

【Alfa Romeo】 アルとポル

 アルファロメオと一言発すれば日本では未だに『ああ、あのすぐ壊れるクルマのメーカーね』の常套句を返される微妙な立ち位置のブランドの不思議な魅力に取りつかれて早4年、クルマに関してだけ言えば結構な浮気性と自負する私にとって予想外の長い付き合いとなっている4Cであります。先ほども軽くドライブをして来ただけで程よい疲労と充実感に満たされていますが、じゃあコーヒーブレイクの後でもうひとっ走りしようかと聞かれれば満面の笑みで「いや、次は半月後でいいかな」なんて後ずさりしながら即答しちゃいます。

それはもちろん車高の低さや足の硬さ云々も理由の一つながら、決定的な理由としては私の体形だとどうにもこうにもドラポジがしっくり来ない点が大きな問題かもしれませんね。胴長短足かつナノボディな私だとペダルに合わせてシートを調整すれば腕が窮屈になり、逆の場合は足がペダルの奥までしっかり届かない。男性としてはとても小さくて幸せを取りこぼしてしまう私の手に4Cのステアリングはとても太くてオマケに重ステであり、シートのホールド性は標準体型よりも華奢なせいでこれまたスカスカでお尻と腰がしっくりと収まらないのであります。

目的地に着くとサイドシルに座ってストレッチが必須となりました…。

きっと4Cを操るにあたって理想的な体形は170-175cmのややがっしりした足長でダンディな体格であると思います。それ以上だと今度は乗降の際にルーフで頭を打つし、重量級になると今度はサイドシルの太さでシートから抜け出すのにアクロバティックな姿勢を強いられそうです。

 そんな訳で、潮の満ち引きみたいに私の心も4Cをホールドするかリリースするか定期的に悩むタイミングがあります。そしてつい最近も某中古車サイトを眺めていて良い1台を見つけてしまいまして、危うくあと一歩で新幹線に飛び乗って実物を見に行ってしまうところまで心が揺れたのでした。

ブツは981ケイマンGT4、ちょっと距離が多めだけれども相場から見ればお得感がありしかも左ハンドルのMT。私の脳みそ自動演算機でどんぶり勘定すれば、4Cとユーノスロードスターをお嫁に出して更に時計を1本売れば手が届くあたりであると割り出し、それで役物級のポルポル君に行けるとあれば心躍りますよね。またGT4の左ハンドル&MTであれば今後のリセールに関してもなかなか期待出来そうなのが一番であり、むしろポルシェ市場全体が2年前後で急激に高騰していて素のボクスター系も驚くべきプライスになりつつあります。そう考えると近い将来には中古であってもポルシェが庶民には到底手の届かない存在になるのではと踏んでいます。結論としては思いとどまった次第でありますが、それでも私なりに本気で色々と皮算用したのでした。

①2台の維持費が1台に集約できる。
自動車税 : 4C=39,500円、ユーノスロードスター=45,400円 ⇒ Total=84,900円
自動車保険 : 4C=110,000円、ユーノスロードスター=40,000 ⇒ Total=150,000円
車検 : もちろん2台分
メンテナンス : そりゃもう2台分

これが

自動車税 : ケイマンGT4=66,500円 ⇒ -18,400円
自動車保険 : ケイマンGT4=110,000円(恐らく4Cと同等として) ⇒ -40,000円
車検 : 1台分で良くなる
メンテナンス : やっぱり1台分で良くなる

②駐車スペースが空く
自宅に駐車ながらインナーガレージは1台分なので、青空駐車する必要が無くなる。
⇒コーティング代や盗難、いたずらの心配が減る。洗車回数が減り時間を創出出来る。

③圧倒的に質感が上がる
4Cはカーボンの塊でありフェチにはたまらないが、それに興味が無い人が乗るにはたまった物ではないとも言える。
ユーノスロードスター…ガタガタピシピシと賑やかなおじいちゃんだから言うまでも無い。

④憧れのポルシェであること。
⇒ある意味で上がりの1台に到達出来る。
⇒最後のNAエンジン搭載のGT4となるはず。サウンドもえげつない。

⑤時計1本を放流する事でメンテナンスコスト削減にもなる。

⑥4Cと違いGT4なら雨の日や近所の買い物など普段の街乗りにだって使えちゃう。


ただね、皮算用する上で忘れてはならないデメリットも突き詰めて行くと…
①根本的にポルシェのランニングコストが鬼高い。
⇒オイル交換だけでも鼻血吹くぜ?
⇒それより4Cのコストが驚く程に安いってこと。軽いからブレーキ減らない、軽いから燃費良い、部品が少ないから交換する箇所も少ない。

②2台持ちとは言えユーノスロードスターはきっと長い付き合いにはならない。
⇒とても好きなクルマだけれども、妻曰く私にはあまり似合っていないのだとか…。私=4Cのイメージがあまりに強いみたい。
⇒市場の買取価格のタイミングによって見切りをつける時期があると自負している=きっと今後値上がりするからそれまでは楽しむ予定。

③あまりに街中で溢れかえるポルシェ。
パナメーラ、マカンを含めるとここそこにポルポル、日本っていつからこんなに景気が良くなったの?
⇒ポルシェ特有のグレード別カースト制度が見え隠れ。

④ROLEXの今後の動向
⇒急激な円安が今後も進むと見ると益々良質な個体は海外に流れて値段が吊り上がって行く気がする…。

アルファロメオ程の陽気さがポルシェには無い。
⇒ひたすらお堅いイメージのポルシェと比べてトラブルすら笑い飛ばす勢いのアルファロメオと愉快な仲間たち。積車でドナドナされて初めて一人前のアルファロメオ乗り。
⇒クリーンすぎるポルシェのデザイン。スタイリングで4Cに勝るスポーツカーはそうそう居ないべ?

…こんな事を考えていたら仕事は手につかず、夜も寝れずに昼寝しそうなのでここらで締めとします(笑)
まとめますと、きっとポルシェに乗り換えても大きな後悔はまず無いと思います。GT系なのでリセールもある程度良いでしょう。と言っても将来的に『購入金額<買取金額』まで上がって行くかは微妙なラインかもしれません。その点で見れば4Cは圧倒的にタマ数が少ない事も含めて未知数な部分が多くて面白味もありますね。私とて所詮は会社にしがみつくしがなきサラリーマンなので、将来的な乗り換え時の査定ってのも購入時には既に非常に大事なポイントになるのは致し方無い所。あとは追加するとすれば妻がウイング付きのクルマがどうにも苦手ってことですね。もちろん買うのも乗るのも私だから自分が欲しいクルマをってのは大前提とは言いつつも、お出掛けするのは2人でなんだからお互いが気に入るクルマに越したことはありません。

 こうやって考えると、長く付き合える理想の1台を導き出すって本当に難しいし永遠のテーマでしょう。時計だって一時期は狂った様にネット徘徊して買い増ししたけれど、今は一周まわって自分にはシンプルなエクスプローラー1が一番かなとも思えていますし。40歳を迎えて否が応でも反射神経の衰えや身体の可動域が少しだけであれど狭くなってきているのを感じています、今日は妻に促されて初整体へ行って来ますよ。
それでも今はまだ自分と周りが許すのであれば精一杯の見栄でスポーツカーに乗っていたい気持ちは強くありインフラが完全に整うまでは、もっと言えばガソリンが買えるうちはEVに足を突っ込みたくもありません。

ここ最近、本当に日本の行く先は暗いなって肌で感じています。日本がどんどん貧困になり、急速に他国に飲み込まれています。賃金が上がらない中で物価だけは順調に上がってしまいクルマを取り巻く環境も変わりました。ガソリンだって私が免許を取得して夜な夜なスカイラインを走らせていた学生時代はハイオク100円とかだったのに今では割引を使って165円ですよ。ポルシェは私のドリームカーでもあります、いつかは乗りたい1台です。頭の中で『やるか、やらないか。行くか、行かないか。』と某サラ金のCMのフレーズがコダマする中で欲望と現実の狭間を行き来しつつ、今日も妄想に浸る秋の夜長を楽しむのでしたとさ。


おしまい。